少額訴訟における債権執行についてまとめてみました。

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少額訴訟における債権執行

債権執行とは、債務者が第三者に債権を持っている時、その債権を差し押さえて回収を図る強制執行です。

債権には例えば、給料債権、預金債権、売買代金債権、請負代金債権、賃料債権などがあります。

ただし、相手の生活を保護するのに必要な債権である恩給、年金、生活保護の受給債権などは差し押さえが禁止されています。

債権執行に必要な費用は、原則として申立て費用4,000円、書類の郵送料3,000円程度と少額訴訟向けといえます。

ただし、債権執行の申立書には、相手の債権を記載しなければなりませんので、債権執行を申立てる前に、自分で相手がどのような債権を持っているのかを特定しておく必要があります。

給与債権の差押え

相手が会社から給与を得ている給与所得者の場合は、その勤務先の会社(第三債務者)に給与債権を有していますので、債権者はこの給与債権を差押えることができます。

債権執行の申立ての際は、申立書の他に、債権者・債務者を記載した「当事者目録」、債務者に対して有する請求債権の内容を記載した「請求債権目録」、差押える債権を記載した「差押債権目録」を作成しなければなりません。

その他、債務名義、送達証明書、当事者・第三債務者が法人の場合は、会社登記簿謄本を添付します。

給与債権の差押えでは、毎月の給料、賞与、退職金を差し押さえることができますが、いずれも全額を差し押さえることはできず、給与、退職金の場合には、支給金額から所得税、住民税、社会保険料を控除した金額の1/4までです。

ただし、控除後の金額が28万円を超える場合には、控除後の金額から21万円を差し引いた金額を差し押さえることができます。

預金債権の差押え

相手が銀行などの金融機関に預金をしている場合は、その金融機関に対する預金債権を差押えることができます。

申立書、その他の書類は上記給与債権の差押えの内容と同じですが、差押債権目録には、金融機関が扱っている預金の種類を記載しなければなりません。

銀行、信用金庫、郵便局などでは扱っている預貯金の種類が異なりますので、対象となる金融機関に事前に問い合わせた方がいいでしょう。

預金債権を差し押さえる場合には、預金区分、口座番号は必要ありませんが、預金のある銀行名、および支店名までは特定しなければならず、支店ごとに差し押さえることになります。

また、複数の金融機関を対象として差押える場合、請求債権を割り振らなければなりません。 例えば、60万円の請求債権で、二つの金融機関で差押える場合、甲銀行A支店に40万円、乙銀行B支店に20万円と
いうように按分します。

この際、もし乙銀行B支店に60万円の預金があったとしてもその内の20万円までしか差し押さえられませんので、どの金融機関でいくら差押えるのかをよく検討する必要があるかと思います。

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