少額訴訟制度は、基本的に一般の人が、弁護士に頼まなくても原告本人が自分で手続を行えるように設計された制度ですので、それまでの通常訴訟とは違い、簡単、迅速、低コストがその特徴と言えるでしょう。
一般の人が誰でも簡単に、且つ迅速、低コストで裁判を進められるよう、通常訴訟とは異なり以下のような制約があります。
- 60万円以下の金銭の請求事件に限られる
- 訴える裁判所は簡易裁判所
- ※基本的に相手の住所地を管轄している簡易裁判所に訴えますが、相手と合意ができれば合意した簡易裁判所
- 1期日審理の原則>
- ※原則として、1日の口頭弁論期日で証拠調べなどの審理が行われ、即日判決が言い渡される。
- 利用回数は、同一裁判所に年10回まで
- ※少額訴訟を起こせるのは、同じ裁判所においては年10回までと制限があります。
- 証拠はその日のうちに調べられるものに限定
- ※証人も基本的に法廷に出廷している人に限定されます。
- 判決に不服でも控訴、上告は出来ない
- ※不服の場合は、判決を下した裁判所に異議の申し立てをできるのみ
- 公示送達ができない
- ※相手の所在が不明でも公示送達ができない為、少額訴訟手続きは利用できないことになります。